「まだ大丈夫」と思っているうちに、気づいたときには手遅れだった——認知症と相続の問題で、よく聞く話です。

認知症が進み「判断能力がない」と判断されると、法律上いくつかの手続きができなくなります。本人の意思で動けなくなるその前に、確認しておくべきことがあります。

当サイトの情報は一般的な参考情報です。個別の手続きは司法書士・弁護士等の専門家に確認してください。

なぜ「早めに動く」が重要なのか

相続・財産管理に関する手続きの多くは、本人に「判断能力がある」ことが前提です。認知症が進んで判断能力が低下した後は、

「元気なうちにやっておけばよかった」という後悔は、多くの家族が経験しています。

確認すること① 銀行口座の把握と代理手続きの整理

親がどの銀行に口座を持っているか、把握していますか。認知症が進むと、通帳・カードの場所がわからなくなる、暗証番号を忘れる、といったことが起きます。

また、金融機関によっては、本人の判断能力が低下したと判断した時点で、家族であっても窓口での取引を制限することがあります。

元気なうちに確認しておきたいこと:

確認すること② 遺言書の有無と意向の確認

「遺言書を残したい」と思っていても、認知症が進んだ後に作成しても無効になるリスクがあります。公正証書遺言も、作成時に判断能力があることが条件です。

元気なうちに確認しておきたいこと:

確認すること③ 家族信託・任意後見の検討

認知症が進んだ後の財産管理を家族が担えるようにする仕組みとして「家族信託」と「任意後見」があります。どちらも、本人に判断能力がある間にしか契約できません

元気なうちに確認しておきたいこと:

詳しくは 記事04「家族信託と成年後見の違い」 も参考にしてください。

「いつ話すか」が難しい——切り出し方のヒント

「親にそんな話、切り出しにくい」という声はよく聞きます。正面から「認知症になったら…」と話すのが難しい場合は、

話し合いを始めること自体が、家族関係を保つための最初の一歩です。

家族信託と成年後見の違いについて:それぞれの仕組みと使い分けは 記事04 で整理しています。具体的な契約については司法書士・弁護士にご相談ください。

佐伯 鉄

佐伯 鉄

相続聞き書き人。士業資格なし。相続・終活・家族問題を、当事者の声をもとに整理・発信しています。