親が亡くなり、誰も住まなくなった実家。「とりあえずそのままにしておこう」と思っているうちに、気づけば数年が経っていた——そういうケースが増えています。
空き家の放置は、固定資産税の増加、近隣トラブル、相続登記義務化による過料など、さまざまなリスクを生みます。最初の3ヶ月で、やることを整理しておきましょう。
当サイトの情報は一般的な参考情報です。個別の手続きは司法書士・行政書士等の専門家に確認してください。
まず確認すること——名義と残高
実家の「名義」が誰になっているか、まず法務局の登記事項証明書で確認します。不動産の登記が親名義のままになっていても、相続が発生した時点から相続人全員の「共有財産」になっています。
同時に、親の銀行口座の残高・保険の有無・借金の有無も確認します。死亡の事実が銀行に伝わると口座が凍結されます。凍結前に残高を把握しておくことが重要です(引き出しは相続人全員の同意が必要になります)。
最初の3ヶ月でやること一覧
- 死亡届の提出——7日以内に市区町村に提出(葬儀社が代行することが多い)
- 相続人の確定——戸籍謄本を集め、法定相続人を確認する
- 財産の洗い出し——不動産・預金・保険・株・借金のリストアップ
- 遺言書の確認——公正証書遺言は公証役場で確認、自筆遺言書は家庭裁判所での検認が必要
- 相続放棄の検討——借金が多い場合、相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申請が必要
実家を「空き家のまま放置」するリスク
多くの家庭では、兄弟間で話し合いがまとまらず、実家を「とりあえず保留」にしてしまいます。しかし放置には現実的なリスクがあります。
- 固定資産税——住宅用地の特例が外れると税額が最大6倍になることがある(特定空家に指定された場合)
- 老朽化——人が住まなくなると建物の劣化が早まる。雨漏り・害虫・不審者の侵入リスクも高まる
- 相続登記の義務化——2024年4月から3年以内の登記申請が義務。違反すると10万円以下の過料
- 共有名義の問題——相続人が複数いると「共有名義」になる。一人が売りたくても他の相続人が反対すると動けない
処分するか・維持するか——選択肢を整理する
実家をどうするかは、家族全員で話し合う必要があります。主な選択肢は次の通りです。
- 売却——売却益を相続人で分ける。もっとも手続きがシンプルな場合が多い
- 誰かが住む——同居・移住を前提にするなら、名義をその人に移す(代償分割など)
- 賃貸に出す——収益を得ながら保有を続ける。維持管理の手間は残る
- 解体して土地のみ活用——老朽化が進んでいる場合の選択肢。解体費用がかかる
どの選択肢でも、不動産会社・司法書士・税理士との相談が必要になります。
「まずここだけ確認する」チェック
- 実家の登記名義は誰か?(法務局で確認)
- 相続放棄が必要な借金はあるか?(3ヶ月のタイムリミット)
- 遺言書はあるか?(公証役場・金庫・自宅の引き出しを確認)
- 相続人は何人いるか?(戸籍で確認)
相続登記の義務化について:2024年4月1日からスタートしました。詳しくは 記事07「相続登記の義務化」 をご確認ください。
